Phrase

09


真夏のダイヤモンド まちのまほうつかい
森に抱かれて眠ろう 人差し指で見つけて
心を抱いて夢を断つ つま先を挟んで転ぶ
涙袋に麻酔を打つ夢 ゼロからイチになる
これが僕らの歩む道 僕達はただ今を走る

友人が死んだらしい 水面に浮かぶ箱と足
君はシェヘラザード 千里の道も散歩から
静かに呼吸を嘲笑う あの夏が帰ってくる
ぼくになる目はない あの子の心の奪い方
ためらいもなく殺生 明日からは君が月だ

フェルメールの想像 ようやっと死に急ぐ
かけっこしましょう 欲するは日常の対価
アグレッシブガール 高嶺の花に御成りよ
ファム・ファタール 最後の1パーセント
などと供述しており ウルトラメカニック

陽炎とともに去りぬ その幸福を享受せよ
それはもう徹底的に 閉め忘れが増えたよ
わたしとえんがちょ 稲妻よりも早いもの
もう何も奪わないで 夢を見るものたちよ
心をくすぶる微炭酸 テールランプの導き

私たちアドレサンス メイドインマイラブ
人類生存不可能領域 私をかたどっている
生まれた意味を問え 正解に縋る惨めさを
つま先から駆け巡る そこに何が見える?

10


好きでも嫌いでもない エブリデイ君のとなり
叶わない朝に息を吐く いつか夢を踏むきみに
心から望んだ春を断つ 運なんかには頼らない
檻から眺める新緑の海 君から二歩半離れてる
心の内を焼き尽くす炎 知らない、は罪である

ひとめでこいにおちる 目は口ほどに物を言う
逃げた先にあったのは セーラー・チェイサー
結局たかだかその程度 すきまから思っている
サイケデリックな恋人 救われなくたっていい
心ゆくまで泣くがいい ぼくにだけ見えない証

彼岸にて夢を見る者よ 分不相応に生き抜く力
金曜9時のNGワード なまけものスターダム
知らなくても死なない 死ななくても知らない
酩酊の夜に沈んだなら 夜をゆくものどもの夢
まどろみの中で眠ろう 当たらずとも遠からず

泡に抱かれて眠りたい 袖振り合うも多生の縁
癒える事すら無くても 夜明け前に消える灯火
過つことも人の常なり さようならいつの日か
思い出さなくていいよ 言葉とは不自由なもの
月をぶら下げた耳飾り かつて私が使えた魔法

いずれ見えなくなるよ くしゃみのち照れ隠し
あなただけ見えてない あなたしか見えてない
どうか、辿りついて。 寝耳に水をぶちまけた
僕らまだ子どもだった 月を見上げて花を踏む
明日あなたが笑ったら 永遠に完成しない××

うつろう季節の獣たち 痛みが痛みを強くする
その静脈に針を刺して

11


お前は何を求めているの
夏とセミと思い出と金髪
ブラックダイヤに憧れて
他の誰でもない君が好き
夢から覚めて起きるまで

夢見るワンダーワールド
さようならの届かない朝
おいでよ、魔法の世界へ
救われないでと願うだけ
痛みだけが私を生かすの

ピアノ線を切りましょう
心の中に君しかいないの
けんけんぱしてばんざい
明日から君が私のマリア
だるまさんを転がします

回したコマを蹴りとばす
おだやかに宙をたゆたう
あなたを愛したからって
ああ輝かしき僕らの愛だ
眠くて仕方がないのです

あの子が眼鏡をはずした
心根が悲鳴をあげている
彗星がきみを殴るように
生きながらえて、どうぞ
エンドロールが流れない

だからみんな馬鹿なのよ
必ずしも愛とは語りえぬ
スパークリング・サマー
サジタリウスに口付けを
こけら落としはもうすぐ

幸せになれるとお思いか
耳としっぽが見えるよう
また今日もいなくなるよ
お前には救えないんだよ
早期離床にもほどがある

踏み固めたものの脆弱性
その意味を求め続けてる
うずたかく積まれた絶望
昨日の空は綺麗だったね
ベッドサイドでおはよう

君を忘れたら楽になれた
われこそが君の全てなり
まだ口もなかった頃の話
好きの真逆を生きてきた
あどけなき悪行の果てに

さざ波のように緩やかに
お前の行く宛などないよ
私だって君がよかったよ
死んで詫びろこの土塊が
合縁奇縁にもほどがある

洒落た言葉で己を語るな
神さまがあなたを作る時
心がふたつあるみたいだ
まぎれもない偶然の幸運
抱きしめたとて救えない

12


そんな夢なら捨てちゃえば
猫がまたたびくわえて踊る
電波塔が夢を見るみたいに
明日を飲み込んだ水泡の夜
誰が殺した、お前が殺した

穴を掘って私を埋めてくれ
雲の上から罪が降りそそぐ
悪気はないのよシンデレラ
だってあなたは忘れている
あなたに届きませんように

入り口が見えているはずだ
そうして私だけ連れていけ
きもちわるくて涙が出るの
もうどこにも戻れない衝動
痛みをわけて歩いていこう

誰にも見つからないように
逃げることなどないのです
辛いと嘆くあなたはどなた
そう言って何度私を殺すの
逃がしてはくれないくせに

莫迦と笑っておくんなまし
夢を見られないバレリーナ
ここのつ数えてかくれんぼ
嫌ってもっと愛してずっと
消したい過去と消えない傷

蚊取り線香は夏の夜の匂い
グリムドールシンドローム
プリズムキラーカーニバル
コーヒーで君を眠らせたい
死を分かつ神の名のもとに

愛とはなんぞと問われれば
言葉を交わしたかったんだ
なりたかったものってなに
みんな元気すぎやしないか
いてもいなくても苦しいの

見えなくなるまで見送って
忘れるくらいにそばにいて
引き出しの奥底で寝ていて
わからないから君を待った
そしてまた始まるのだろう

余計なものほどよく見える
昨日まで知らなかったこと
うつむきかたを知っている
昔みたいに素直になりたい
うつつをぬかしたあかつき

はぎれどうしだったぼくら
光を受けてただまっすぐに
光を受けてただひたすらに
煮詰めたスープを飲み下す

13


やうやうこちらにおいでませ
なんて素敵なワンダーランド
気づいて欲しいと願っている
求めるその手を連れゆく明日
呪ってないよ。恨んでるだけ

限りなくそこに寄り添うだけ
あなたの呪いを吐き出したい
なによりもあの子を見ないで
そんなに背中を押さないでよ
世界が淡く枯れ果てたとして

ばかいえあなたがいちばんだ
金曜日のファム・ファタール
メロウなフィナーレに祝杯を
グレイスケールヘンドリクス
最後のピースが見つからない

またいらないものを買ったよ
それが当たり前になるくらい
いつまでも外せない風鈴の音
わたしはずっと確信している
君にさえ届けばよかったんだ

プラネタリウムじゃ届かない
今日も明日も見過ごすばかり
例えば死にゆく運命だとして